2011年5月5日木曜日

【0503】被害状況は千差万別

 被害認定調査2日目です。今日は朝から晩までみっちり調査を行いました。要領が分かってきたので始めはスッと進んでいくものと思っていたものの、予想以上に時間がかかりました。


キッチリ機械的にはなかなか進められないと言う方が正しいかもしれません。被害判定のマニュアルや被害程度の分類も提示されているものの、ハッキリ言って「同じ状態」だと判定できる建物は「無傷」のものだけで、建物の用途・築年数・地盤の状態などによって被害の様子はそれぞれ違っています。なかなか簡易的な分類に収めるのが難しいと感じました。住民の方の家屋に対する自己評価もかなりの差があるようです。誰もが納得する評価指標を作るのは難しいと思いますが、逆に自己評価がある程度正しい場合でも行政などオフィシャルな立場の人が判定をすると安心してもらえるということもありました。



また、実は地震の被害は、「人間が作れないもの」にも表れているようで、このような亀裂の入っている樹木も見られます。建築を学ぶ立場としては、建物や道路は修復することができるけれど、自然物の破壊に対する反応は文字通り「想定外」の状況です。これを地震による負の象徴と捉えるか、地震を受けて生き残る力強さと捉えるか。今までは仮にこういったものに関わるとしても「保存」か「撤去」しかありませんでしたが、それ以外の関与方法があるのではないかと思える一コマでした。 (金指) 


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