2011年5月3日火曜日

【0502】実査開始

本日から被害認定調査の実査を開始しました。村松研究室のメンバー7名を含む地域安全学会16名、横浜市役所から11名の計27名での大所帯での調査です。場所は、宮城野区岩切で、地震による振動被害が多くみられる地域です。これまでは、住民から申請があるたびに、随時調査を行っていたのですが、今回まとまってボランティアが集まったこともあり、同地区を悉皆調査することになったとのことです。
午前中に、調査方法に関するレクチャーを受けた後、午後から現地に入りました。地震の振動被害はそれほど見られないといわれていた今回の震災ですが、実際に現地に行ってみると屋根や壁面に相当の被害を受けた住家もあり、中には地盤そのものに大きな被害がある住家も見受けられました。震災から一ヵ月半以上建つにもかかわらず、補修等が進まない家も多く、今回の被害認定調査が一刻も早い同地区の復旧の一助となれば思いました。
今回の災害においては、海岸から一定のまとまった範囲内に甚大な被害をもたらした津波の被害に比べ、地震による振動被害は被害程度も津波ほどではなく、また被害の大きい場所がどのあたりに分布するのかが読みにくいために、岩切地区のような場所の認知が遅れたのかもしれません。特に仙台市のような大都市の場合、市域が広いために市の職員のみで市域全域を悉皆調査することが難しく、今後の大都市での地震被害を把握する際には、同様の課題が想定されます。
被害認定調査は基本的に自治体業務であるため、なかなか自治体職員以外が関わることは無いのですが、今回のような地域安全学会を通して建築学科の学生が調査をサポートするような形式が、今後の被害認定調査における民間支援のあり方の試金石となるのかもしれません。(岡村)

1 件のコメント:

  1. どんなことでも、経験して、役に立ってください。それが将来にも貢献します。m

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