2011年6月8日水曜日

【0502】 海岸を見るということ

 レクチャーを受けずに午後からの参加となったため、仙台駅近くからタクシーで調査地へ向かいました。仙台駅周辺は予想以上に人が多くにぎやかで、罹災した都市の一つであることが一見して分からない状態でした。
 タクシーの運転手さんからは、海側と陸側で全く被害状況が違うこと、自分は陸側の人間だから、震災直後は自分の生活再建に手一杯で、こんなに近くにいるのに海岸の津波被害の情報にはリアリティが持てなかったというお話をお聞きしました。しかし実際に現地を訪れ被害を目の当たりにする機会があり、考えが変わったそうです。

 自分も罹災者だけど、募金をするようになったし、何らかの形で津波被害に協力したいという思いが芽生えた。海側の人は「来るな」と言う人間も沢山いる。実際後ろめたさが無いわけでは無かったが、それでも現地で見ることでしか分からないことがあり、それを体験することで初めて、被害を受けた事実を共有することができるようになるのだから、見られる機会があるのであれば、見たほうが良い。

と語っておられたのが印象的でした。自分が全くのよそ者として、多分自分のために海岸へ行く予定があることへの迷いを、少し後押ししてもらえた言葉でもありました。
(中山)

0 件のコメント:

コメントを投稿